第29回ソウル歌謡大賞(Seoul Music Awards / SMA)は、2020年1月30日に開催され、K-POPの歴史において重要な転換点となりました。
この記事では、BTSとテヨンが大賞を受賞し、TXTやITZYといった第4世代アイドルが新人賞を獲得したこの授賞式を、2026年現在の視点から詳細に振り返ります。
2020年当時を知るファンはもちろん、最近K-POPに興味を持った方にも、過去の重要な出来事を知り、現在のK-POPシーンとの繋がりを理解する上で役立つ情報をお届けします。
2020年の第29回ソウル歌謡大賞の最大の特徴は、それまで1組だけに授与されていた「大賞」が、初めて「アルバム大賞」と「デジタル音源大賞」の2部門に分割されたことです。
これは、CDの売上枚数だけでなく、ストリーミング市場の拡大に伴うデジタル音源の影響力をより正確に評価するための改革でした。2026年現在、この大賞分割は、K-POPシーンにおける音楽消費の多様性を反映した評価方法として定着しています。
開催基本データ(2020年当時)
- 開催日:2020年1月30日(木)
- 会場:ソウル 高尺スカイドーム
- MC:シン・ドンヨプ、チョ・ボア、ヒチョル(SUPER JUNIOR)
- 放送:KBS Drama、KBS Joy、KBS W、U-NEXT(日本独占生中継)
本記事では、第29回ソウル歌謡大賞の全受賞結果と当日のセットリスト、そして当時のK-POPシーンを彩ったハイライトを詳細に記録します。2026年現在から見ると、この授賞式は、K-POPのグローバル化と世代交代を象徴する重要なイベントだったと言えるでしょう。
【全受賞結果】第29回ソウル歌謡大賞の受賞者一覧(2020年)
第35回ソウル歌謡大賞の大賞選定基準
審査員100% pic.twitter.com/UG8eeT4lYq
— ジヨペン (@yktmcas) March 20, 2026
第29回ソウル歌謡大賞では、BTS(防弾少年団)とテヨン(少女時代)がそれぞれの部門で頂点に立ちました。以下は部門別の詳細な受賞結果です。
アルバム大賞|BTS(防弾少年団)
アルバム部門の大賞は、BTSが受賞しました。対象となったアルバム『Map of the Soul: Persona』は、2019年4月の発売直後から爆発的なセールスを記録。Gaonチャート(現Circleチャート)の2019年年間アルバムチャートにおいて、371万枚以上の売上を記録し、圧倒的な1位を獲得しています。
BTSはこの日、スケジュールの都合で授賞式には不参加でしたが、VTRを通じてファン(ARMY)への感謝を伝えました。彼らはこの受賞により、第27回から3年連続での大賞受賞という快挙を成し遂げています。2026年現在、BTSは兵役期間中ですが、その影響力は依然として大きく、K-POP界のレジェンドとしての地位を確立しています。
デジタル音源大賞|テヨン(少女時代)
新設されたデジタル音源部門の大賞には、少女時代のテヨンが輝きました。受賞曲『Four Seasons(四季)』は2019年3月にリリースされ、韓国の主要音源チャートですべて1位を獲得する「パーフェクトオールキル」を達成しています。
テヨンは受賞スピーチで「音楽を聴いてくださるすべての方々に感謝します。これからも良い音楽で報いたいです」と語り、ソロアーティストとしての地位を不動のものにしました。2026年現在も、テヨンはソロアーティストとして精力的に活動しており、後進のアーティストたちに多大な影響を与えています。
本賞(Bonsang)|12組のトップアーティスト
ちょっと今回 まぁね
もしLIVEに行ける機会があったら
うん
聴きたいなと思いますね
聴きたいね ~
はい
はい ということでお聴きください!
BTSさんで「We are Bulletproof: the Eternal」♪ We are Bulletproof: the Eternal / BTS
https://t.co/NgCipC2jNk pic.twitter.com/A2kUEwlRpr
— ️imi (@aimixxxLJ) March 21, 2026
その年のK-POP界を牽引したアーティストに贈られる本賞は、以下の12組が受賞しました。
- BTS(防弾少年団)
- テヨン(少女時代)
- SUPER JUNIOR
- EXO
- TWICE
- Red Velvet
- NU’EST
- MONSTA X
- MAMAMOO
- チョンハ
- ポール・キム
- NCT DREAM
特にNCT DREAMはデビュー以来初の本賞受賞となり、成長著しい姿を見せました。また、ポール・キムはバラード歌手として唯一本賞に名を連ね、音源強者としての実力を証明しました。2026年現在、これらのアーティストたちは、それぞれの分野で更なる進化を遂げています。SUPER JUNIORのようにデビューから長い年月を経てもなお、第一線で活躍し続けるグループも存在します。
新人賞|次世代を担う3組
一生に一度しか獲得できない新人賞は、以下の3組が受賞しました。2026年現在、K-POPシーンの中心で活躍するグループばかりです。
- TOMORROW X TOGETHER (TXT):Big Hit MusicからBTSの弟分としてデビュー。
- ITZY:JYPエンターテインメントからデビューし、『DALLA DALLA』で大ブレイク。
- AB6IX:Wanna One出身メンバーを含む実力派グループ。
TXTは、2020年以降も独自の音楽性とパフォーマンスでファンを魅了し続け、グローバルな人気を獲得しています。ITZYは、中毒性のある楽曲とパワフルなパフォーマンスで、ガールクラッシュの代表的なグループとしての地位を確立しました。AB6IXも、メンバーのプロデュース能力を活かし、個性的な音楽活動を展開しています。これらのグループは、第4世代を代表するアーティストとして、K-POPの未来を担っています。
その他の部門別受賞者
- R&B・ヒップホップ賞:Kassy
- バラード賞:キム・ジェファン
- OST賞:テヨン(『ホテルデルーナ』OST「All About You」)
- バンド賞:Daybreak
- ダンスパフォーマンス賞:ハ・ソンウン
- 今年の発見賞:キム・ヒョンチョル(City Popの再評価により受賞)
- QQミュージック最高人気K-POPアーティスト賞:EXO
- 人気賞:EXO
- 韓流特別賞:EXO
- 審査員特別賞:ソン・ガイン
EXOは当日の授賞式には不参加でしたが、人気賞を含む4冠(本賞、人気賞、韓流特別賞、QQミュージック賞)を達成し、ファンダムの強固な支持を証明しました。2026年現在、EXOはメンバーそれぞれのソロ活動も活発で、グループとしても活動を継続しています。
第29回ソウル歌謡大賞のセットリスト(セトリ)とパフォーマンス詳細
2019.01.16
Kstyle
BTS(防弾少年団)「第28回ソウル歌謡大賞」大賞受賞で3冠達成…“僕たちも皆さんのファン”https://t.co/lF76SgCFa5 pic.twitter.com/hn1ZcqHyVB— ⟭⟬ᴱ ᴬᴿᴱ ᴮ⟬⟭ᶜᴷ(ᵃⁿ ᵃᶜᶜᵒᵘⁿᵗ) (@R2804M2710) January 14, 2025
第29回ソウル歌謡大賞では、各アーティストが2019年のヒット曲を中心に華やかなステージを披露しました。ここでは出演順にセットリストを紹介します。
第1部:新人たちのフレッシュなステージ
オープニングを飾ったのは、この年デビューしたばかりの新人グループたちでした。
- ITZY
- 『ICY』
- 『DALLA DALLA』
ITZYはデビュー曲とカムバック曲のメドレーを披露。新人とは思えない完成度の高いダンスブレイクが話題となりました。
- TOMORROW X TOGETHER (TXT)
- 『Crown(ある日、頭からツノが生えた)』
- 『Run Away(9と4分の3番線で君を待つ)』
TXTは魔法のような世界観を表現したステージを展開。特に『Run Away』での制服衣装とダイナミックな群舞が注目を集めました。
- AB6IX
- 『Breathe』
- 『Blind for Love』
- キム・ジェファン
- 『Begin Again』
- キム・ヒョンチョル × Daybreak × MAMAMOO ソラ × AB6IX デフィ
- スペシャルステージ:『Is It Love?』ほか
- ハ・ソンウン
- 『BLUE』
- CHUNGHA(チョンハ)
- 『Gotta Go(もう12時)』
- 『Snapping』
ソロクイーンとしての貫禄を見せつけたチョンハ。『Gotta Go』のイントロが流れた瞬間の会場の歓声は凄まじいものでした。
- NCT DREAM
- 『GO』
- 『We Go Up』
- 『BOOM』
NCT DREAMは強烈なダンスナンバーを3曲連続で披露。特に『BOOM』での成熟したパフォーマンスは、彼らが少年から大人へと変化していることを印象づけました。
第2部:トップアーティストによる圧巻のパフォーマンス
ライブ映像がきっかけで逆走してるのITZYさんすぎる
歌詞が
“もし私が倒れることを願っているなら残念だけどごめんね
歌い続けるわ、踊り続けるよ
私に怖いものなんてない”
なのマジで感動で死ぬからね
カムバ成績があまり良くなくても1位取れなくてもITZYさんが諦めず歌い踊り続けてくれたから https://t.co/Ns4PnGky1Z pic.twitter.com/5HZnCgobtz— 伊藤 (@lifestyle_212) March 10, 2026
第2部では、本賞を受賞したベテラン勢やトップグループが登場しました。
- MAMAMOO
- 『gogobebe』
- 『HIP』
MAMAMOOは圧倒的な歌唱力で会場を支配しました。『HIP』のステージでは、ダンサーたちとの一糸乱れぬパフォーマンスを披露。
- Red Velvet
- 『Psycho』
Red Velvetは、2019年末の大ヒット曲『Psycho』を披露。当時、メンバーのウェンディが負傷により療養中だったため、4人体制でのパフォーマンスとなりましたが、その幻想的な雰囲気は健在でした。
- Paul Kim
- 『Me After You』
- MONSTA X
- 『Alligator』
- 『Follow』
MONSTA Xは、彼らの代名詞であるパワフルでセクシーなステージを展開。水を使った演出などはありませんでしたが、熱気あふれるパフォーマンスで会場を盛り上げました。
- NU’EST
- 『Bet Bet』
- 『Love Me』
- TWICE
- 『Feel Special』
- 『FANCY』
TWICEは2019年を代表する2曲を披露。『Feel Special』の優雅なイントロから始まり、『FANCY』でのエネルギッシュなダンスへと繋げ、ガールズグループの頂点としての実力を見せつけました。
- SUPER JUNIOR
- 『2YA2YAO!』
- 『SUPER Clap』
大トリを務めたのはSUPER JUNIOR。新曲『2YA2YAO!』のヒップホップスタイルなステージと、ヒット曲『SUPER Clap』で会場全体を一体感に包み込みました。
- テヨン
- 『Spark』
- 『Four Seasons』
デジタル音源大賞を受賞したテヨンは、ライブバンドをバックに圧倒的なボーカルを披露。『Spark』の力強い歌声と『Four Seasons』の繊細な表現力で、観客を魅了しました。
第29回ソウル歌謡大賞のハイライトと当時の背景
ソウル歌謡大賞 本章受賞
僕が本当に応援していて好きな方達ですが、Tomorrow x Togetherおめでとうございます!
またこうして貴重な賞をいただきありがとうございます。また、僕たちのために一生懸命働いてくださってるBighitファミリーの方達、いつもありがとうございます。… pic.twitter.com/JMc1wpC2Q7
— cιєl (@adorable0001) June 21, 2025
第29回ソウル歌謡大賞を振り返る上で欠かせないトピックを、当時の具体的な状況とともに解説します。
1. アルバムと音源の「二極化」を反映した大賞分割
K-POP市場は2019年頃から、強力なファンダムによる「アルバム売上」と、大衆的な人気を示す「音源チャート」の乖離が進んでいました。主催のスポーツソウルは、この市場の変化に対応するため、第29回から大賞を2つに分ける決断を下しました。
結果として、世界的なファンダムを持つBTSがアルバム大賞を、韓国国内で絶大な大衆人気を誇るテヨンがデジタル音源大賞を受賞するという、非常に納得感のある結果となりました。この方式は、その後のK-POP授賞式の評価基準にも影響を与えています。2026年現在、多くの音楽授賞式が、アルバム売上、音源成績、グローバル人気など、多様な指標を総合的に評価する傾向にあります。
2. Red Velvet『Psycho』の貴重なステージ
Red Velvetの『Psycho』は、2019年12月23日にリリースされ、リリース直後にMelonチャートで1位を獲得するなど大ヒットしました。しかし、リリース直後の「SBS歌謡大祭典」のリハーサル中にメンバーのウェンディが重傷を負う事故が発生。完全体での活動が不可能となってしまいました。
そのため、第29回ソウル歌謡大賞での4人体制による『Psycho』披露は、ファンにとって複雑ながらも貴重なステージとなりました。彼女たちは本賞受賞のコメントで「ウェンディと一緒にこの場にいられたら良かった」と語り、メンバーの絆を感じさせました。2026年現在、ウェンディは復帰し、Red Velvetは完全体での活動を再開しています。『Psycho』は、Red Velvetの代表曲の一つとして、今も多くのファンに愛されています。
3. X1の解散と新人賞の行方
2019年はオーディション番組『PRODUCE X 101』から誕生したX1が大きな話題となりましたが、番組の投票操作問題により2020年1月6日に解散を発表しました。第29回ソウル歌謡大賞は解散発表の直後に行われたため、本来であれば有力な新人賞候補であったX1の姿はありませんでした。
その中で、TXT、ITZY、AB6IXの3組が新人賞を受賞したことは、混乱するK-POPシーンにおいて新たな希望の光となりました。2026年現在、TXTはドームツアーを成功させ、ITZYはワールドツアーを行うなど、この時に選ばれた新人が間違いなくシーンを牽引しています。この3組の活躍は、新人賞の選考が、単なる人気だけでなく、将来性を見据えたものであったことを証明しています。
まとめ:第29回ソウル歌謡大賞が残したもの(2026年版)
韓国出張から帰国。光化門広場で開催されるBTSのカムバック公演の準備で賑わう光景に出くわす。最大26万人が集まると予想されていて、テロ対策など政府による厳戒態勢が敷かれていました。45時間のソウル滞在でしたが、凄まじいスピードで会場が設営されていく光景は一夜城のようでした。 pic.twitter.com/WANklEhQIj
— 鴨田秋津(舞鶴市長) (@AkitsuKamoda) March 19, 2026
第29回ソウル歌謡大賞は、BTSの世界的成功が定着し、同時に第4世代の台頭が始まった歴史的なイベントでした。アルバムと音源の大賞分割は、多様化するK-POPの楽しみ方を象徴する出来事であり、テヨンの受賞はソロアーティストの可能性を大きく広げました。そして、TXT、ITZY、AB6IXという、その後のK-POPシーンを牽引するグループが新人賞を受賞したことは、未来への希望を感じさせるものでした。
この授賞式の結果やパフォーマンス映像は、現在でも多くのファンに語り継がれています。各アーティストの公式YouTubeチャンネル等で当時のパフォーマンスの一部を確認することができますので、ぜひチェックしてみてください。


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